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はなまるクリニック

はなまる便り
2020年01月17日(金)
みなさんこんにちは。はなまるクリニックの高橋です。
「カラダと病気のはなし」2回目となりますが、今回はインフルエンザのはなしです。
暖冬、雪不足と言われていますが、昨年末からジワジワと周りに体調をこわす方が増えていると思いませんか。そう、残念ながら例外なく今シーズンもインフルエンザが蔓延し始めています。

 さて、みなさんは「インフルエンザ」と「風邪」の違いをお解りですか。
インフルエンザとはインフルエンザウィルスが原因で発症する感染症のことをいいます。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などが比較的急速に現れるのが特徴です。一方、風邪は他の様々なウィルスが原因で発症し、喉の痛み、鼻汁、くしゃみや咳などが中心で高熱や全身症状を伴うことが少なく、重症化もあまりみられません。つまりインフルエンザが楽観視できないのは全身症状が辛いだけでなく脳症や肺炎など重症化することにあり、厚生労働省の報告では、直近3年間で1500-3000人の方が全国で亡くなられているのです*1。同様の直近3年間の報告では流行のピークは12月末から2月初めとされ、現在はA型(H1N1亜型)、A型(H3N2亜型)とB型の種類が国内で流行しているとされます*2。インフルエンザウィルスは時として抗原性が大きく異なるウィルスが現れ、人々がそれらに対する免疫を獲得していないことから新型インフルエンザとして急速に蔓延することがあります。H21年にメキシコで確認された新型インフルエンザは記憶に新しいと思いますが、そのウィルスタイプも多くの国民が免疫を獲得することによりH23年には新型インフルエンザから季節性インフルエンザとして取り扱われることになりました。
 
いずれにしてもインフルエンザにまず罹らないようにすることが大切ですね。予防法として厚生労働省が推奨することは以下の5点となります。

1)流行前のインフルエンザワクチン摂取
2)外出後の手洗い等
3)適度な湿度の保持
4)十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
5)人混みや繁華街への外出を控える。

ワクチン接種については13歳以上の方は1回接種が原則で慢性疾患などを有する場合で医師が必要と判断した方は2回接種が許されます。13歳未満については原則2回接種となりますが、3歳未満児には容量が半量となり国によっては2回接種の年齢も異なります。個人差がありますが、インフルエンザワクチン接種後に抗体がピークになるまで約4週間要すると報告され、先の国内流行期を考慮して12月中旬までの接種が推奨されています*3
 インフルエンザに限りませんが、感染症は予防と共に周りへの配慮も重要とされています。この時期に咳やくしゃみ等の症状が出たら、外出時は咳エチケットを徹底しましょう。マスクやティッシュ、ハンカチや袖を使って口や鼻をおさえるやり方です*4。それでもやはりインフルエンザが心配、疑わしい場合は医療機関を必ず受診してください。

 残念ながらインフルエンザと診断された際は治療薬について医師と相談ください。現在、内服薬が3種類 (商品名:タミフル等、ゾフルーザ、シンメトレル)、吸入薬 2種類 (商品名:イナビル、リレンザ)、点滴薬 1種類 (商品名:ラピアクタ)の6剤となりますが、一昨年よりタミフルには唯一、ジェネリック薬が登場し、値段や投与方法・期間の違いを加味した適切な治療薬を選択ください。また、症状が出てから2日(48時間)以上経過した後の投与は十分な効果が期待できないと報告されるので合わせてよく医師と相談してください*2
インフルエンザ罹患後の学校や会社への復学、復職については原則、学校保険法に準拠します。発症から5日(発症日を0日)を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)となりますが、医師が感染の恐れがないと判断した場合はこの限りではありません。

 とにかくこの時期、インフルエンザには罹りたくないし周りの人にうつしたくありませんね。ご心配な時は迷わず掛かりつけ医・家庭医に相談してください。
                 「インフルは貰うもあげるも貸借御免」

*1 厚生労働省「人口動態統計」、国立感染症研究所感染症情報センター
*2 厚生労働省「令和元年度 今冬のインフルエンザ総合対策について」 
*3 板谷一宏等「インフルエンザワクチン接種後のHI抗体価の検討」環境感染 2007
*4 厚生労働省「感染症情報」