MENU

はなまるクリニック

はなまる便り
2020年03月17日(火)

カラダと病気のはなし-4  タッチケア

皆様こんにちは。看護師の松本です。今月の「はなまる便り」は、はなまるクリニックの看護師チームで担当させていただきます。

皆さんは、子どもの頃、頭をぶつけてこぶができた時や、転んで膝を擦りむいた時などに、お母さんに「痛いの痛いのとんでいけ!」と患部をさすってもらったことはありませんか?そして、不思議なことに、痛みが飛んで行き(?)和らいだ記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、お母さんが魔法を使ったのではなく、実は「触れる」という行為がもつ科学的根拠のあるケアなのです!この触れるケアは「タッチケア」とも呼ばれています。

今回は、タッチケアの効果と、背中のタッチケアの方法についてご紹介させていただきます。ぜひ、ご家庭でも試してみてください。とっても気持ちいいですよ。

 

u  タッチケアの効果

  痛みやストレスを軽減させる

触れることにより、脳の視床下部から血液中に“オキシトシン”という癒しホルモンが分泌されます。そのオキシトシンが体の中に広がると、痛みや不安、ストレスが軽減されます。リラックスした気持ちで、睡眠がとれるようになります。

  介護者自身が穏やかで優しい気持ちになる

癒しホルモン(オキシトシン)は、触れられた人だけでなく、触れる人自身にも分泌されるため、タッチケアを行っている介護者自身も穏やかな気持ちになれます。

  関節や筋肉の緊張をほぐす

リハビリ前に実施することで、血液の循環が良くなり体が動かしやすくなる場合があります。食事前に実施することで、箸の運びが良くなり食欲が増したという方もいらっしゃいます。

  信頼関係を築く

優しい気持ちで触れ合うことで、信頼関係が自然に生まれ、悩みや苦しみを打ち明けやすい関係を築くことができます。介護の場だけでなく、母子のコミュニケーションやいじめや虐待予防の取り組みとして「タッチケア」を実施している地域もあるようです。

はなまるクリニックの訪問看護でも、がんの痛みがある方や、認知症の症状の強いかたなどにタッチケアを実施しています。痛みや不安で険しい表情が徐々に緩んでいき、次第に寝息をたてて眠る様子がしばしば見受けられます。そして、触れさせていただいた私たち自身も、心も体もポカポカと温かくなり、穏やかな気持ちになります。

 

u  方法(背中のタッチケア)

背中を1秒間に5センチ程度のゆっくりとした動きでなでていきます。自分の手と相手の触れる箇所をできるだけ密着させ、手のひらでアイロンをかけるようなイメージでなでます。110分程度触れ合うことが目安ですが、15分でもかまいません。短い時間であっても、痛みを意識せずリラックスできる時間を持つことや、優しく触れられることで「大切にされている」「優しくされている」と感じることのできる、特別な時間を作ることが大切です。

 

★背中のタッチケア

 椅子に座ってもらい、前にテーブルなどを置き、枕を抱えるなどしてうつぶせ気味の体勢をとってもらいます。ベッドに寝たまま行う場合は、腰や足の間に枕を挟み、横向きになってもらいます。辛くない、リラックスした姿勢で行うことが大切です。

 

  両手を揃え、背中の真ん中から円を描くように、背中全体をまんべんなくなでます。





                             




  次に、腰から背骨に沿って肩までなで、そのまま左右に開き、背中の外側のラインに沿って腰までおろします。




   腰の位置から背骨に沿って、ハートを描くように肩までなでていきます。

 



この①~③を数回ずつゆっくりと繰り返しおこないます。

 

今回は、背中のタッチケアの方法をご紹介しましたが、その他にも、手や足のタッチケアもあります。スウェーデンのタッチケアに基づいた「タクティールケア」という手法もあります。私が研修を受けたときには、インストラクターの方が、実演で私の背中にタッチケアをしてくださいました。すると、あまりの気持ち良さで心も体もとろけてしまい、研修中に深~い眠りについてしまいました(笑)。

タッチケアは、資格がなくても誰でも行うことができます。手で触れ合うことのぬくもりによって、安心感や信頼、癒しを与える、「人」にしかできないケアですので、ぜひ試してみてください。