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はなまるクリニック

はなまる便り
2020年11月20日(金)
 
ご無沙汰しています。山本英世です。
かなり間のあいた更新になってしまいました。
2度の移転を経て、訪問診療だけではなく、現在は外来診療やリハビリも始まりました。
"はなまる"のスタッフも増えたことで、これまで以上に組織としても個々としても同じ方向を向いて成長できるように、"大事にしていること"をまとめました。
"大事にしていること"として、当院スタッフに伝えた内容になります。
 
大事にしていること
 
私自身が初心にかえるためにも、私が医師として組織のリーダーとして、大事にしていることを記載しました。以前に作成したものを大きくアップデートしました、のでVer2になります。いずれVer3にアップデートするかもしれません。
これは当院臨床の一番の支えである、常勤医師に大事にしてもらいたいことです。もちろん非常勤の先生にも大事にしてほしいです。また心強いパートナーであるコメディカルスタッフ、縁の下を支えている事務スタッフにも大事にしてほしいです。
 
理念においては純粋に、行動指針においては忠実に
いかなる時も自分の家族であればという考えのもと診療にあたってください。寄り添う気持ちが伝わるよう診察してください。伝えることが大事です。そして“はなまる”の連携する他事業所が頼る最後の砦ということを忘れないでください。最後に”はなまる“の仲間に対する気遣いを忘れないようしてください。
患者さんへ、家族へ、連携する事業所へ、“はなまる”の仲間へ、助けられる第一歩をすぐに踏み出せるようにしてください。
 
② “はなまる”の診療について
患者さんや家族から、“はなまるクリニック“の医療介入により、入院を回避できたことや自宅で過ごし続けられたことを感謝してもらうことは多いです。それは私たちが、できる医療介入に対してあきらめず積極的であるからだと思います。
そして、いろいろな病院から、“はなまるクリニック”に在宅診療を任せられるので、安心して患者さんを送ることができるようになった、という言葉を、開院当初よりいただきました(おそらく今もそう感じてくれていると思います)。医療連携室にあいさつに行くと、いわれる言葉であり、その意味するところは<在宅でできることは在宅で介入してもらえることが助かる>、<適切な在宅での医療介入によって、救急搬送が減り、病院の負担が軽減される>ということでした。そしてそれができていることを、基幹病院は感謝してくれています。
もちろん搬送するタイミングを逸することは避けなければなりませんが、私たちは求めがあれば何でもできるクリニックであり、そうあり続けたいと思っています。
理念はもっとも大切ですが、“はなまる”の差別化を図ってこられたのは、簡単にあきらめず、適切なタイミングで医療介入ができるからです。“はなまる”の医療機関としての臨床能力が高いからです。できることはやった上でどうして入院が必要か(なぜ入院でなければならないのか)を明確にしたうえで、入院を選択してきました。私たちは医療のプロであり、はなまるには優秀な人材が集まっています。理念はもっとも大切ですが、医療者としての知識や判断も大切です。常に情報のアンテナをはり新しい知識を身に着け、知識の足りない所をカンファレンスで相談できる、そういう環境を作っていきたいです。
そして私たちにできることがある限り、簡単にあきらめないことも大事にしてほしいと思います。
 
③ 循環器診療について
実は“はなまる”の循環器や心不全診療は、そこそこ全国的に知られています。心臓病学会や循環器学会のシンポジウムで登壇する機会も多くなりました。2021年3月の循環器学会でも、シンポジウムで登壇する予定です(在宅心不全診療の実際)。
私自身がずっと学んできた領域であり、数ある医療の分野の中で最もプライドをもって医療にあたってきた領域です。
他の分野も同じですが、特にこの循環器分野で後手に回ることや、状態を良くできたのに悪化して入院という選択をとらざるえないことは、とても悔しいです。幸い、“はなまる”の医療スタッフの努力によって、防ぐことができています。
循環器専門の先生にはそういう気持ちを持って診療にあたってほしいです。非循環器専門の先生には、それぞれの専門性を発揮してほしいです。そして循環器領域で学べることは多いので積極的にカンファレンスを行い、学びの場になればと思います。
 
④ ②番と矛盾するようですが、人の命に限りがあるため、いつか死に向けて私たちも、家族も、本人も受け入れることが必要です。受け入れのための説明は、何度もしなければならないことも多いです。それでも患者さんや家族に寄り添う気持ちが伝われば、いつかは伝わります。
伝わらなかったと感じていても、何度も伝え続けることで、見取りの時に、受け入れできていたことに私たちが驚くことも多いです。
そして終末期が近づいたとき、“穏やかに苦痛なく最後を過ごすこと”を大事にしたいです。ARIS care(過去記事の“看取りへの取り組み”を参考ください)や看取りのパンフレットについては、必要な段階で(早すぎることはありません)実施をお願いします。
 
⑤ 紹介状の作成
紹介状は、患者さんのこれまでの病状や問題となっている病状を伝える、大事な書類です。迅速に先方が情報を共有できる、大事な書類です。
実は病状だけでなく、“はなまる”を知ってもらうきっかけになっています。
基幹病院医師にとってこのクリニックを知る唯一の書類でもあるのです。だからこそ紹介状はこれまでの経過が分かる形で、問題点が分かりやすいよう丁寧に作成をお願いいたします。
 
⑥ カルテチェック
日々のカルテを、常勤医師が申し送りを受け、訂正チェックを行い、スタッフ全員で情報共有をしています。このカルテは患者さん家族やCM、他連携事業所が、見ることのできるようしております。このため作成した日付に応じた内容になっているかのチェックをお願いいたします。そして長くまとまりのなくなったカルテについては必要に応じてまとめる作業をお願いいたします。常勤の先生方によるこの作業があることで、情報が整理され、非常勤の先生が診察に入る場合も電話連絡を受けるコメディカルスタッフにとっても経過が分かりやすくなっています。非常勤医師もこの点を考慮したうえで、カルテ作成をお願いいたします。
常勤医師や非常勤医師が患者さんや家族へ説明を行った際に、患者さんやご家族への指示内容や説明事項については、”私のカルテ”内の一番新しい日付のところへ、直接ボールペンでの記載をお願いいたします。診療アシスタントは写真を取り、それをカルテにアップします。電子カルテにも説明内容の記載、もしくは写真参照と記載してください。説明の行き違いや説明の統一をとるための方法です。
 
⑦ サマリー更新
経過中患者さんの入退院があった場合、サマリー更新を常勤医師で行います。このサマリーが日々のカルテの元になり、紹介状の既往病歴になります。このためサマリー更新はすべてのプロブレムにおいて、作成日付のものとなるよう作成をお願いいたします。
 
⑧ 採血オーダー、採血頻度
採血検査は常勤医師が前もって、患者さんの病状に合わせオーダーを作っています。採血の頻度や間隔は、患者さんの病態によって異なることから、作成する医師の判断となります。採血検査は、患者さんの表に出ない病状を知る手段でもあります。(高齢の方が多く、症状訴えが少ないことも多い)。このため採血頻度は、長くとも3か月前後間隔となるよう、採血検査入力をお願いいたします。また、手の空いている常勤医師は積極的に採血オーダーの作成をお願いいたします。採血オーダーの遅れが無いよう、固定の医師の負担にならないよう、それぞれにアンテナを張り助け合ってもらえると嬉しいです。
 
⑨ 各種書類チェック
看護スタッフが主に行ってくれていますが、訪問看護リハビリ指示書や、薬局の報告書、訪問看護リハビリ報告書など、常勤医師が目を通す書類は膨大です。こちらも、固定の医師の負担にならないよう、それぞれに助け合ってもらえると嬉しいです。
 
⑩ 研修医教育、診療看護師教育、看護学生教育
研修医、診療看護師の卵、看護学生がローテーションに来ることがあります。彼らは将来の“はなまる”や“地域”の支えになるかもしれない医師や看護師です。だからこそ、彼らの成長のためにも、私たちの成長のためにも、“はなまる”の成長のためにも、丁寧な指導をお願いします。
 
⑪ 重要事項の連絡
家族、ケアマネージャーや訪問看護ステーションへの重要な医療的連絡は、できる限り医師よりお願いいたします。話も早く進み、何よりも家族や連携先を安心させてあげられるからです。
 
⑫ 迷いが生じたとき
日々の臨床で判断を迷うことはたくさんあります。私は迷った時こそ、手間のかかる方を選んでいます。それが正解かはわかりませんが、手間をかけた分、その判断の結果がどのようなものであっても、後悔することはありません。一つの判断基準として参考にしてみてください。
またこのクリニックは優秀な臨床医、臨床スタッフが多く在籍しています。相談できる環境は病院と同等に整っています。なので迷った時こそ、カンファレンスを行い話し合うことで、ともに成長できる土壌を作っていきましょう。
 
 
ここまで長文を読んでいただきありがとうございます。
以上になりますが、私が医師になって以降、そして開院して以降、大事にしてきたことでもあります。
“はなまる”の医師、看護師、コメディカルスタッフ、事務スタッフ、それぞれが同じく大事にしてくれることをうれしく思います。
常勤の先生方よろしくお願いいたします。
そして非常勤の先生方。常勤医師は日常業務のほか、上記の業務や、他様々な業務を行っております。非常勤の先生方には、上記内容を踏まえた上で、各先生できる範囲内でできることを行っていただき、診療にあたっていただけると嬉しいです。
 
はなまるクリニック
山本英世