ご無沙汰しています。山本英世です。
かなり間のあいた更新になってしまいました。
2度の移転を経て、訪問診療だけではなく、現在は外来診療やリハビリも始まりました。”はなまる”のスタッフも増えたことで、これまで以上に組織としても個々としても同じ方向を向いて成長できるように、”大事にしていること”をまとめました。
“大事にしていること”として、当院スタッフに伝えた内容になります。
大事にしていること
私自身が初心にかえるためにも、私が医師として組織のリーダーとして、大事にしていることを記載しました。以前に作成したものを大きくアップデートしました、のでVer2になります。
いずれVer3にアップデートするかもしれません。
これは当院臨床の一番の支えである、常勤医師に大事にしてもらいたいことです。
もちろん非常勤の先生にも大事にしてほしいです。
また心強いパートナーであるコメディカルスタッフ、縁の下を支えている事務スタッフにも大事にしてほしいです。
① 理念においては純粋に、行動指針においては忠実に
いかなる時も自分の家族であればという考えのもと診療にあたってください。寄り添う気持ちが伝わるよう診察してください。伝えることが大事です。
そして“はなまる”の連携する他事業所が頼る最後の砦ということを忘れないでください。最後に”はなまる“の仲間に対する気遣いを忘れないようしてください。患者さんへ、家族へ、連携する事業所へ、“はなまる”の仲間へ、助けられる第一歩をすぐに踏み出せるようにしてください。
② “はなまる”の診療について
患者さんや家族から、“はなまるクリニック“の医療介入により、入院を回避できたことや自宅で過ごし続けられたことを感謝してもらうことは多いです。
それは私たちが、できる医療介入に対してあきらめず積極的であるからだと思います。
そして、いろいろな病院から、“はなまるクリニック”に在宅診療を任せられるので、安心して患者さんを送ることができるようになった、という言葉を、開院当初よりいただきました(おそらく今もそう感じてくれていると思います)。医療連携室にあいさつに行くと、いわれる言葉であり、その意味するところは<在宅でできることは在宅で介入してもらえることが助かる>、<適切な在宅での医療介入によって、救急搬送が減り、病院の負担が軽減される>ということでした。
そしてそれができていることを、基幹病院は感謝してくれています。
もちろん搬送するタイミングを逸することは避けなければなりませんが、私たちは求めがあれば何でもできるクリニックであり、そうあり続けたいと思っています。
理念はもっとも大切ですが、“はなまる”が地域において必要とされるのは、簡単にあきらめず、適切なタイミングで医療介入ができるからです。“はなまる”の医療機関としての臨床能力が高いからです。できることはやった上でどうして入院が必要か(なぜ入院でなければならないのか)を明確にしたうえで、入院を選択してきました。私たちは医療のプロであり、はなまるには優秀な人材が集まっています。
理念はもっとも大切ですが、医療者としての知識や判断も大切です。常に情報のアンテナをはり新しい知識を身に着け、知識の足りない所をカンファレンスで相談できる、そういう環境を作っていきたいです。
そして私たちにできることがある限り、簡単にあきらめないことも大事にしてほしいと思います。
③ 循環器診療について
実は“はなまる”の循環器や心不全診療は、そこそこ全国的に知られています。心臓病学会や循環器学会のシンポジウムで登壇する機会も多くなりました。
2021年3月の循環器学会でも、シンポジウムで登壇する予定です(在宅心不全診療の実際)。
私自身がずっと学んできた領域であり、数ある医療の分野の中で最もプライドをもって医療にあたってきた領域です。他の分野も同じですが、特にこの循環器分野で後手に回ることや、状態を良くできたのに悪化して入院という選択をとらざるえないことは、とても悔しいです。
幸い、“はなまる”の医療スタッフの努力によって、防ぐことができています。循環器専門の先生にはそういう気持ちを持って診療にあたってほしいです。
非循環器専門の先生には、それぞれの専門性を発揮してほしいです。
そして循環器領域で学べることは多いので積極的にカンファレンスを行い、学びの場になればと思います。
④看取りへの取り組み
②番と矛盾するようですが、人の命に限りがあるため、いつか死に向けて私たちも、家族も、本人も受け入れることが必要です。
受け入れのための説明は、何度もしなければならないことも多いです。それでも患者さんや家族に寄り添う気持ちが伝われば、いつかは伝わります。
伝わらなかったと感じていても、何度も伝え続けることで、見取りの時に、受け入れできていたことに私たちが驚くことも多いです。
そして終末期が近づいたとき、“穏やかに苦痛なく最後を過ごすこと”を大事にしたいです。
ARIS care(過去記事の“看取りへの取り組み”を参考ください)や看取りのパンフレットについては、必要な段階で(早すぎることはありません)実施をお願いします。
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